そして自分の席に戻ろうと振り向いたときまたあの地味男子と目が合う。


今回は笑われなかったけれど、あれは…絶対に獅狼。…のハズなのに本人が全然話聞いてくれないから、あれが獅狼なのか信じ難い。




「次のテストも頑張れよー」




そう言って先生はテスト用紙をでかい封筒に入れると教室を出て行った。


あ…まだテストあるのか…眠くて死にそう……。




「ちょっと、あんた朝“今日のわたしはやる気に満ちあふれてるよ”とか自信満々に言ってたくせに何寝てんの?」


「ふごごご…」




えりに鼻をつままれ息が出来なくて、目を開けた。




「なに…」


「何じゃないわ。やる気はどこ行ったって聞いてんの」


「何それ…わたしにやる気とかあるわけないじゃん……」




1教科でわたしのやる気は根こそぎ持ってかれたわ…。




「数分前のあんたにこの姿見せてやりたいわ」