「俺に聞きたいことあるんじゃねぇの」
「へ…?」
獅狼に、聞きたい事…?わたしが…?
なにか…あったかな…。と首を捻っていると獅狼に呆れたように溜め息をつかれた。
「はぁ…おまえってほんとバカな。3歩歩いたら忘れるのかよ」
「は!?誰がバカだ!!そこまでバカじゃない!!」
いきなり喧嘩を売られて意味がわからずに反抗したけれど、そこでピンと思い出した。
「そうそう!!わたし獅狼に聞きたいことあったの!!」
「おせぇよ」
「あのさ!」
「答えてやんねぇし」
「ええ!?自分で言っといて!」
「忘れてるお前が悪いんだろ」
そう言ってベンチから立ち上がるとポケットに携帯をしまい、大きなあくびをこぼす。

