「シローの場合、誘拐罪とかでいんじゃね」
「いやでも誘拐してないしぃ〜」
「させりゃいーじゃんっ?」
…ねえ、ちょっとさっきからヘンな言葉飛び交ってるけど大丈夫!?
しかも何罪とか、何言っちゃってんのこの人たち!!
ひとりわたわたしていたらポケットに入れていた携帯の着信音が鳴り響き、抱きしめられたままそれを取り出した。
「もしもしおかっ…」
《ちょっと!買い物に何分かかってんの!?早く帰って来なさい!》
…あの、お母さんって言わせてくれてもよいじゃないかお母さん。
耳元で耳鳴りがするほどのでかい声で怒鳴られ、顔をしかめた。
怒られたことにちょっとヘコんでいると、銀髪男がわたしの携帯を奪って離れていく。
「あっ、ちょ…」
だんだんと遠退いて行くお母さんの声。それとは裏腹に楽しそうに笑う銀髪。なんだか殴りたくなったけれどそれはやめておいた。
「…あの、一体なんなんですか?」

