愛してるって言ってみたい。

「あたしが、地味子………?」

あたしは至って普通の女の子だと思っていた。

地味でもない、かと言って不良っぽい訳でもなくて。

「そう。あんたはじ!み!なの。だからもう、朱利には近づかないでくれる?もちろん、春季にもね。あたしは春季のことが好きなの。でも、春季の好きな人はあたしじゃない。だからぐれてやったのよ。ふふふっ。」

吉野先輩はそう言い終わるとニコッと微笑んだ。

「次春季にくっついてたら、いじめのターゲットあんただから。あ、この事春季に言ったらマジで容赦しねえから。」

そう言うと吉野先輩は保健室を出て行った。

体の力が抜けて、その場にふにゃっと座り込む。

「春季君に近づくな……?」

……そんなのやだ。どうすればいいの?

その時、春季君に言われた、なんかあったら言えよの言葉が頭に浮かぶ。

でも言ったらあたしに対してのいじめは酷くなる。

「どう……しよう。」

あたしが保健室から出ようとした時、

「今の話、携帯で録音したから。」
ドアを見ると顔は見えず、その人の携帯だけが見えた。
でもあたしはこの人が誰かわかった。

この声とこの携帯……。

「は、春季君……。ダメだよ‼︎それ、消してよ‼︎あたしいじめられちゃう!」
泣きじゃくるあたしを見て春季君はあたしに近づいた。

「俺が全力でお前を守ってやる。お前をいじめる奴らは俺が許さねえ。」

そう言って春季君は自分の指をポキポキならした。

「俺……お前のこと好きだから。」

え……?嘘でしょ?

頭の中が真っ白になる。

「なんで?なんでこんなあたしに告白なんてするの?あたしじゃなくて、吉野先輩に告白してよ‼︎」

「お前以外の女に興味ねえよ。」
春季君の目は真剣そのものだった。

「あ、あ。あたしも、春季君が好き。」

「付き合ってくれるか?」

「はい!」

あたしが微笑むとそれに返すように春季君も微笑む。

今回の微笑みは少しじゃない。いっぱい微笑んでいた。