愛してるって言ってみたい。

「お前ら、今俺が静かにしろって言ったばかりだろぉ?」

山寺は皆を睨みつける。

「せんせーい。早く授業始めてよ。」

「そうよ!あたし達もそんな話聞いてる暇なんかないのよ!」

「うぅ……。」
山寺は口を突き出し、チョークを握り、えぇーこれはー。と説明を始めた。
「先生、字、見えないよ。」

「あぁ。ごめん…。ってお前ら調子乗るんじゃないぞ!見えるだろ、ドアホ!」

山寺も耐えきれなくなったのか、大声を出す。

そんな数学の授業も終わり、6時間目の授業の準備を始める。

「季薇!疲れたぁ!」
朱利はあたしに背伸びしてみせる。

「あたしもぉ。」
あたしも背伸びをしてみせる。

そして、背伸びをしていた時。

「ちょっと、季薇さん?でしたっけ?あたしについてきてもらえますか?」

え…?
後ろを振り向くと、三船さんがいた。

「ダメよ。季薇はあたしとこれから授業サボリに行くんだから。」
朱利があたしの腕をぎゅっと掴む。

「三船、季薇が嫌がってんだろ。」

勇気君が声を上げる。

「あら?勇気君じゃない。さっきはどうも。」

「なにがどうもだよ。」

三船さんを睨む。

「ていうか、あなたに関係はないの。季薇さん?」

「あ、あたし?なんであたし?」

自分を指さして、首を傾げる。

「なによ。なんでも、いいじゃない。」
三船さんはメガネをくいっと上げる。

「……季薇、行くよ。こいつ意味わかんないし。」

「季薇さん!あたしも行くわ!」

「くんなよ。」
朱利も久々に口が悪くなる。

「あんたに関係ないから。」

三船さんも負けずに口を悪くする。

「…きもっ。行くよ、季薇。」

「ちょっと!待ってよ!季薇さん!」

……季薇さんって呼び方、なんか慣れなくてこそばゆい。

「季薇ぁ。なんなのよ、あいつ!」
屋上に続く階段を上りながら、文句を言う。

「さぁ?でも、さ。話ぐらい聞いてもいいじゃん。」

「あーゆー奴ほど変なことすんの。」

朱利は屋上のドアを足で思いっきり蹴る。

____ガン!!!

「きゃあ!?」

屋上にもともといた女子が声を出す。

「…ごめん。あなた、なにしてるの?授業、始まってるけど。」
気づけばチャイムはとっくになっていた。

「あたしはいいのよ。あなた達こそ、いいの?」