「浅田さん!」 トイレから出たところで、あたしの名前を呼ぶ声。 ななめ下に向けていた視線を、上に上げる。 「え……っと?」 そこには知らない男の子が笑顔で立っていた。 この人誰? あたしに話しかけてるんだよね? 「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」 茶髪短髪で活発そうな、綺麗な顔の男の子。 「あ……はい」 「じゃあちょっと、ついてきて」 促されるまでに、あたしはその人のあとをついていく。 どこに、行くんだろう?