手に入れたいのはお前だけ。




「昨日は……夜何してたの?」



「んーー……音楽きいてた」



「深高くんらしい」



あたしたちは、教室で一緒に話したりすることはほとんどなくて。



放課後の帰り道、朝の教室までの廊下でこうやって話をするようになっていた。



最初はなんだか恥ずかしくて、なれなかった深高くんとの時間も、ゆっくりと心地よいものに変わってきつつある。



深高くんのことをどんどん知れて、距離が近くなってるような気がして嬉しい。


だけど、ひとつ気になることができた。