手に入れたいのはお前だけ。




そう口にしたら、なんだか照れてしまう。



なれないなあ……。



「まさか付き合うなんてねえ」



嬉しそうにからあげを口に含む美喜ちゃん。



まるで自分のことのよう。



「あたしも……びっくりしてる」



「何より驚いたのは、あの深高くんが女の子に興味があったってことよねえ」



ちらりと美喜ちゃんが窓側にいる深高くんたちを見る。



わいわいと友達に囲まれている茂木くんの隣で、深高くんは何も言わずに頬杖をついている。



あたしも、そう思ってた。