手に入れたいのはお前だけ。




「なに話してたの?」



「いや、特になにも……」



なに話したかなんて、まったくと言っていいほど覚えてなかった。


なんでかはわからないけど。


目が合った瞬間、なんだかどうしようもない気持ちになった。


それはきっと、あたしがこの人に恋してたからなんだって、心が教えてくれた。



「ええ〜そうなの〜?でも深高くんとは付き合ってるんだよね?」



美喜ちゃんには付き合った次の日に、深高くんと付き合ったことを告げていた。


でも、あたしが茂木くんを好きだったことは知らない。