たぶん奏太は、千澄のことなんて視界にも入ってないんだろうな。 一度見られたくないところを見られただけの、ただの女の子。 その子がクラスにいるなんて思いもしてないんだと思う。 自分のタイプの女の子にしか目を向けないから。 もったいないことをしたよな、本当に。 「あ、」 購買から教室に帰ると、入り口で見慣れた顔に出会ってしまった。 このタイミングで…………。 「み、深高くん」 「……千澄」