ああ、そんなに奏太のことが好きなのか。 こいつはモテるし女の子にだらしないから 君みたいな純粋そうな子には無理だよ。 最初はそんな気持ちだった。 だけど。 「千澄!がんばれー!!」 グラウンドで行われる体育の授業。 「浅川!次の文章読んでみろ」 普段の教室での授業。 「千澄、食べよう」 休み時間。昼休み。 気付けば俺は、千澄の行動ひとつひとつを目で追っていた。 気のせいだと思ってた。