手に入れたいのはお前だけ。




長い距離を走るのだってつらいのに、どうしてあたしなんかのために……。



そう思ったらなんだか視界がぼやけてきて、気づけば涙が溢れていた。



あたしが、由くんを危険な目に……。



「……なに泣いてんの?」



ーーーえ。



「由くん!!目が覚めた!?」



こちらを見る由くんと目が合って、あたしは急いで駆け寄った。



「か、身体大丈夫!?」



「あ、うんごめん。心配かけた」



起き上がろうとする由くんを支えると、そのまま起き上がった。



「由くんまだ寝てないと、」



「もう大丈夫」