手に入れたいのはお前だけ。




「じゃあ深高くんが起きたら帰っていいから。任せて大丈夫?」



「はい、ありがとうございました……」



先生がいなくなって、しんと静まりかえる保健室。


あたしはそーっと、ベッドのカーテンを開けた。



体操服姿のまま、由くんは寝ていて。



……ちょっと苦しそう。



ここまであたしを連れてきてくれた由くんは、着くなりそのまま床に倒れこんだ。



かなり息が荒くて、ああ走っちゃいけなかったんだってわかった。



あたしのために、トラックの中まで走ってきてくれたんだ……。