手に入れたいのはお前だけ。




「千澄!!大丈夫か!!」



100メートルはあったであろう、トラックの中の千澄のところまで走っていた。



カーブで見事にこけてしまった千澄は、痛そうな顔をしてる。



「……ゆ、いく……」



「すぐ保健室に連れてくから」



千澄を持ち上げようとしたら、ガクンと力が抜けた。



……え?



だめだ、ここで倒れるわけにはいかない。



千澄を保健室まで連れて行かないと。



俺は走って千澄を保健室に連れていったあと、すぐに意識を手放した。