手に入れたいのはお前だけ。




【 由side 】



「由!俺すごくね?一位独占!」



そう言いながら、一位の紙のメダルを何枚も見せびらかしてくる奏太。



運動神経がすこぶるいいらしい。



俺には考えられないけど。



「お前にも得意なことがあるんだな」



「うるせー。ってか由また体調不良かよ。体育とかも見学多いじゃんか」



「お前みたいに年がら年中健康じゃないんだよ」



「えーー?」



俺だって本当は、体育祭に参加したい。
思いっきり走ってみたい。


でもそれができないんだよな。
したこともないし。