手に入れたいのはお前だけ。




「トロくてごめんなさい。数学の問題、あたし解いてきてなくて。だから……」



続けて謝ろうとしたら、深高くんがポカンとあたしを見ていた。



……え?



「深高、くん?」



「面白いな、千澄って」



「へ?」




次の瞬間には、笑ってる深高くん。



すごい、綺麗な顔。
思わず見とれてしまうよ。



「なに見つめてんの」


「えっ?!」



ば、バレてる!恥ずかしい!!


あたしはほほを押さえて深高くんから離れた。