この人、優しいのかなんだか。 全然聞く耳持ってくれない……。 その足はどんどん海から遠のいていて。 これは完全に医務室に向かってる。 「あの、」 「俺のツレに何してんの?」 男の子の足が止まったのと同時。 聞こえてきた低い声。 声のする方を向いて、あたしはあっと声を出した。 ……こちらを見る、由くんが立っていたから。 無表情で何を考えているかはわからない。 ただなんとなく、怒ってる気がする。