手に入れたいのはお前だけ。





「……大丈夫か?」



数学の勉強を始めて小一時間。



すでに消沈したあたしの顔を覗き込む、由くん。



「……あ、うん。なんとか……」



「お前数学苦手だろ。これしてみたら?」



差し出されたのは、英語の単語帳。



え……。



「それならできそうだろ」と由くんが笑った。



たしかにあたしは、どの教科よりも一番に英語が好きだ。



できるかできないかは別にして、だけど。



……知ってたのかな、由くん。
だとしたら嬉しいなあ。