「……だけど、ありがとう」 不意に真面目な顔で、茂木くんがあたしを見る。 「これで、真正面から戦えそうだよ」 「え?」 真正面って、誰と戦う気……? 「そこにいるんだろ、由」 茂木くんの言葉に、あたしは固まった。 え……深高くん……? ガタンと音がして、扉が開く。 そこには、レンズ越しにあたしたちを強く見つめる深高くんがいて。 「宣戦布告。受け取ってくれるだろ?」 「……ああ」 ここに深高くんがいて話を全部聞かれていたことと、宣戦布告を受け取ったことに衝撃を受けた。