手に入れたいのはお前だけ。




「悪いけど、俺は千澄ちゃんが思ってるような人間じゃないよ」



あたしの考えを読み取ったのか、少し投げやり気味に茂木くんが笑った。



「俺はいつだって、由のことを羨ましく思ってた」



「え?」



どうして茂木くんが、深高くんを……?



「俺が由と仲良くなったのは、ただの好奇心からだった。俺とは正反対の暗い感じで、なのに自分をしっかり持ってるやつだったから」




たしかに誰とでも話すしすぐ打ち解ける茂木くんと、深高くんは正反対かもしれない。



仲良いっていうのが、少し不思議だと思ったこともあったから。