手に入れたいのはお前だけ。





「千澄ちゃん。君が嫌だって言うなら、俺はこんな生活やめるよ」



「え…………?」



「そう思える人に、出会えたんだ」



真剣な瞳。目をそらすことができない。



茂木くんの言葉を理解するのに、少し時間がかかった。



それくらいあたしへの思いが真剣ってこと?



でも………。




「あたしは、深高くんが……」



「わかってるよ」



あたしには、深高くんがいるんだよ?



いつもあなたの隣にいて、仲よさそうに
わらう二人を知っているから。



そんな二人の仲を、あたしなんかが壊すわけにはいかない。