手に入れたいのはお前だけ。




いつもと違うあたしの様子を感じ取ったのか、あたしの足元を見て美喜ちゃんの表情が変わった。



「千澄、上靴は?」



「えっと…………」



「まさか、とられたの?」



あたしの靴箱を開けて、確信したようで。



「…………また嫌がらせ?」



「たぶん……」



こんなことをされる原因は、ひとつしかない。



水をかけられるだけじゃ終わらなかったみたい。



深高くんと付き合うことって、意外と大変なんだなっていうのがわかった。



でもこんなことをされても、深高くんと別れたいなんて思わなくて。