「…………ない」 カパッと靴箱を開けて、あたしは思わず言葉を漏らした。 上靴が、見当たらないのだ。 学年カラーの緑の上靴が、二つに仕切られた靴箱の上に入っているはずなんだけど。 ないなあ。どう見ても。 登校してきてすぐにこれは、ちょっとへこむかも。 あたし、今日一日裸足で過ごさなきゃいけないのかな。 「千澄おはよー」 とんっと肩を叩かれて振り返ると、笑顔の美喜ちゃん。 「美喜ちゃん…………」 「ん?千澄どうしたの?」