「いや、この前俺、千澄ちゃんと初めてちゃんと話したんだけどさ」 「それ保健室に来てた日のこと?」 「え、なになんで知ってんの」 やっぱり奏太は、あの日俺が保健室にいたことに気づいてないみたいだ。 話すといろいろ面倒くさいからやめておこう。 「……千澄にきいた」 「なるほど。まーそのときに千澄ちゃんがどんな子かわかったよ」 「どんな子か?」 「すごくいい子だねえ」 しみじみとそう言う奏太。 奏太がいい子だと言うのは珍しい。