手に入れたいのはお前だけ。




大丈夫かって……。びしょびしょだよ。



すれ違った廊下で、いきなりこんなことになるなんて。



あたし……何かしたかな?



「あ……大丈夫」



だけどあたしは小心者で、女の子に何か言うこともできない。



「本当にごめんねえ」



「う、うん……」



それだけ言って、女の子は花瓶を持ったまま歩いて言ってしまった。



な、なんだったのかな。



というか………。



あたしは自分の濡れた制服を見た。



これ、どうしよう……。