手に入れたいのはお前だけ。




着いた先は、深高くんと会っていたところとはちがう、行ったことのない棟の空き教室だった。



「あの、何か用ですか?」



ガチャンと音がして扉が閉まると、男の子がこちらに振り返った。



とてもこわい、笑みを浮かべて。



ーーーーえ?



「あ、あの……?」



「やっとふたりきりになれたね」



「え?」



やっとふたりきりに……?



この人は、何を言ってるの?



「ずっとこのときを待ってたよ」



「こ、このとき?」



「ずっと君のことが好きだったんだ」