「……ほら、時間なくなるから行くぞ」 「うん!」 ベンチから立ち上がったとき、聞こえてきたのはあたしが今一番聞きたくなかった声だった。 「―――――蒼くん!!」 蒼くんを呼ぶこの声、あたし知ってる。 蒼くんを一番知っている女子。 「いちご…?」 少し距離があるが目の前には、確かにいちごちゃんがいた。