蒼くんは、ムスッと機嫌の悪そうな顔をしていた。
しまいには「チッ」と舌打ち。
イライラしてるんだろうな…。
女の人たちはそんなことに気づきもしないで、まだキャーキャー言ってる。
どんだけ、イケメンが好きなんだ…。
半分呆れながらも、あたしははぁ…と誰にも気づかれないようにため息を吐いた。
「次の方どうぞー」
従業員の人の声で、あたしたちはやっと順番が回ってきたことを知った。
「楽しみだねぇ」
「ああ」
「…やっぱり、苦手なんでしょ?フフッ」
「だからちげーって!!」
必死に否定する蒼くんが可愛くて、またクスリと笑ってしまった。



