「なっ…!?」
「うん。熱はないみたいだね」
「そんなんねえよ!!」
足をサッと伸ばし、いっきにあたしより高くなった蒼くんが頬を赤くして叫んだ。
「でも、赤いよ…?大丈夫?」
「こ、これは…っ、――――――
いいから、いくぞ!?」
「え、ちょっと待ってよぉ…!」
あたしを見てなにか言葉を飲み込んだ蒼くんは、あたしに背を向け先に遊園地内へと入っていった。
あたしは小走りで、蒼くんに追いついた。
「お前のせいだっつーの」
ボソリと赤い頬を大きな手のひらで隠しながら呟いた蒼くんの言葉を、あたしは聞き逃してしまった。



