「い、や……です。あたしは、あたしです…」
あの子はあの子なんだから。
あの子のいいところは、たくさんあるんだから。
なんにも知らないのに、そんなこと言うな!
―――あのとき、こんな言葉を言えばよかったんだ。でもあたしは、弱かったから。
ごめんね…。
「はぁ!?この状況わかってんの?」
「嫌、なんです。あたしがあたしじゃなくなるのは」
「チッ、さっきからキモイ声でムカつくこと言ってんじゃねぇよ!!!!」
真ん中の女の手で上へ振り上げられた。
あ、殴られる…!
反射的に、あたしは目をつぶった。
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