「てか、さっきからこいつなにも話してなくね?」 「怖がってんじゃないの?」 「えぇー、うちら悪役じゃん!アハハハッ」 ――でも、今はあの子に似たあたしだから。本当のあたしじゃないから。 それに、あの子の悪口を言われたようで……悔しい。 だからか、総長としてのあたしの力が出せない…っ。 「は、離して…ください……」 「えー、い・や!」 「気持ち悪い天然のフリ、やめたらいいよ?」 「大丈夫。フリなんてやめても、姫になんて一生なれないから~」 やめてよ。これ以上、あの子を悪く言わないでよ。