「えっとぉ…」
ここから逃げたい。よくある女の嫉妬ってタチ悪いから。
「うわっ、女子にまでそんなキモイ喋り方するとかありえないわー」
「ほんと気持ち悪いんですけどぉ」
「女からしてみれば、ぶりっ子ってだけだよねー?」
どんどんあたしに近づいてきて、あたしは校舎を壁にもう下がれない状態だった。
「なに?神亀の姫にでもなれると思ったの?」
「えー、そんなありえない妄想してんの?!かわいそっ」
「天然のフリすればなんでも可愛く見えるって考え、大間違いだから」
真ん中にいる一番メイクがケバくて髪を巻いてる女が、あたしの腕をグッと力強く掴む。
これで精一杯なの?弱すぎ。
本当のあたしなら、簡単に振り払えるのに。



