もしもあたしがさっき手をとっていれば。 もしも宿題を忘れたあの時、『やめてよ!』と言えてれば。 あたしにホンの少しの勇気と強さがあれば あの子は助かっていたかもしれない。 今も、あたしの隣で笑っていたかもしれない。 ――それから数日間、あたしは学校へ行かなかった。 感情がなくなった空っぽ状態で、あたしはずっと仁奈のことだけを考えていた。 ごめんね。ありがとう。ごめんね。ありがとう。 あたしはずっと呟いていた。この言葉を。繰り返し繰り返し。何度も何度も。