「の、望空さん!ちょっといいかな?」







 頬を赤く染めたクラスの男子が教室に戻っていたあたしに声をかけてきた。





「? うん。いいよぉ」





 女子は「やっぱりモテるじゃんかぁ」「望空は可愛もんね」と笑いながら、あたしを見つめていた。










 ――男子についていくと、あるところで足を止めてクルリとあたしに顔を向けた。



 ここは、校舎裏。こんなところに連れてきて、何するんだろう。









「望空さんのことが好きです!俺と付き合ってください!!!」








 あたしと目をそらすことなく、彼はさらに頬を赤くしながら言った。