ごめんね、と言おうとしたとき、聞こえてきたのは仁奈の儚げな声だった。 え…?ばいばい? どういう意味…? 仁奈の顔を見ると、瞳から一筋の涙が伝っていた。 ふわりと微笑んだ彼女の笑みで、あたしはやっと理解できた。 『仁奈!―――あ、待って!!』 そして仁奈は教室から走って出て行き、どこかへ向かった。 あたしは追いかけた。 教室からはざわざわとこそこそ話が聞こえてくる。それに、一軍女子の高笑いも。 仁奈。仁奈。仁奈…! 『ばいばい』だなんて言わないで。