手をあたしに向けて伸ばし、辛そうな顔であたしを見つめる仁奈。 ――ドクン 助けを求める仁奈の声が頭に何度も繰り返される。 喧嘩なら強いのに、心がこんなにも弱かったなんて…あたしはまだまだだ。 友達一人笑顔にできないなんて、最低だ。 あたしは手をゆっくりと仁奈の手に近づける。 助けたい。あたしは、仁奈の親友だから。 『望空?蹴らないの?』 けど、一軍女子の声であたしの手はピタリと動くのをやめた。