いちごはそう言って、今玄関から出てきた望空に目を向けた。 「俺と…望空に?」 「そうだよ。望空ちゃんが来たら、ちょっとここで話してもいい? フフッ、大丈夫だよ。ほんのちょっとだから♡」 「……わかった」 そして、望空がいちごに呼ばれて校門前で歩いていた足を止めた。 ……―――ほとんどの生徒が下校した、オレンジ色に染まる空の下、 やっといちごが口を開いた。 「あのね」