「ごめんな、いちご。 こんなに俺のこと好きになってくれてたなんて知らねえで…。 ―――ありがとな」 ポンと優しくいちごちゃんの頭を撫でた蒼くんは、同級生だとは思えなくて年上のお兄さんって感じがした。 なんだか、とても懐かしい匂いが蒼くんからした。 ――『のんちゃん!!』 え…? 今柔らかく微笑んだ蒼くんの笑顔が、脳裏をかすめたあの子の笑顔にとてもよく似ていた。 まさか……まさか、ね。 あの子に似てるなんて、ありえない。