「…ば、バイバイ」




 ぎこちなく手を振ってから、望空は切なげな表情をしながら帰っていった。






 ――パタン…と閉まった扉。






「……はぁ、どうしたらお前らは素直になれるんだ」





 望空が去ったこの部屋・幹部室では、残されたメンバーが全員ため息をついていた。





 副総長の匠は、前髪をクシャ…とかきあげながらソファの背もたれによりかかった。






「それはおめぇも同じだろーが」





 幹部の真汰が、小さく舌打ちをしながら「くそ…っ」と歯を食いしばる。







 俺らは、望空を大切な仲間だと思ってる。



 そりゃ、望空のしたことは許せることじゃねえ。



 けど、俺らは今の望空を認めてるから。わかってるから。