助けを呼ぶ声が、出ない。 それほどいちごちゃんが恐かった。 あの子はこういう気持ちだったのかな? “あの時”のあの子が脳裏をよぎって、恐くなったんだ。 ――助けて。――やめて! そんな声は、誰にも聞こえなかったあの子の気持ちをようやくわかることができた。 やっと……。今更、遅いのに。 あたしの心臓に向けて距離を縮めるナイフ。 誰か聞こえてよ。あたしの助けを…!