駅から出て、あたしと蒼くんは待ち合わせ場所の時計の下までまた来た。
「送れなくて、悪いな」
「ううん。あたしも用があったからぁ」
「そうか…。
今日は楽しかったよ。じゃあな」
「うん。バイバイ!」
小さく手を振った彼に、あたしは大きく手を振り返しながら別れた。
蒼くんはこのまま直接、神亀の倉庫に行くそうだ。
神亀の倉庫は、双雷の洋館とは真逆の東にある。
まるで最初から、トップ争いが起こることを予知していたように。
あたしも今日は洋館に行こうと思ってた。
最近あんまり行ってないし。時々は、顔出さなきゃだし。