もう、出会っちゃったんだ。 もう、好きになっちゃったんだ。 そうなってしまった以上、取り消すことなんて誰にもできない。 「ごめんね、透也くん…」 「いや、俺こそ変なこと言ってごめん」 「ううん。ありがとぉ」 涙を自分で拭ってから、あたしは笑顔で言った。 弱くても、あたしは戦わなきゃいけないんだ。 逃げるが勝ち、なんて言葉もあるけれど あたしは、逃げない。 もう、逃げたりはしない――――――……