出口から出て、あたしたちは蒼くんといちごちゃんを探す。 「あ、蒼くんと…いちごちゃん……」 見つけた。…けど、二人の距離がさっきよりも短い気がする。 「あ、望空ちゃん! 聞いて~?わたしったら怖すぎて、蒼くんに何度も抱きついちゃった♪」 「そ、そうなんだ…」 「怖かったぁ~!!望空ちゃん、怖くなかった?」 「うん…。大丈夫だったよぉ」 何度も、抱きついたんだ…。 だから、さっきよりも二人の距離が近く感じたんだ。 ―――あたしも、蒼くんに抱きつきたいのに。