透也くんとあたしは数分経ってから、一緒に入った。 中は意外と怖くなくて、普通に歩けた。 「望空ちゃん、幽霊とか怖くねえの?」 「えー、怖いよぉ?ここは怖くないだけだよぉ」 「意外だなー。怖かったら、俺に抱きついてもいいんだよ?」 冗談半分なのか、口元をニヤニヤとさせながら言った。 「ふふっ、じゃあそのときはよろしくねぇ」 なんて、あたしも冗談で言う。 “そのとき”なんてこないよ。 あたしは双雷の総長。 怖くても、立ち向かう勇気を持っているんだ。