「ッ」


開いたとたんに秋の肌寒い風が吹き上げてきた。

まるで侵入者を拒むよう、なんていったら少しクサイかな。


俺はドアを開けたまま、屋上を歩き回った。


ああそうか、誰も立ち入らないと思っていたからフェンスが設置されてないんだ。

これじゃうっかり足を踏み落として堕ちてしまうかもしれない。


前髪が風になびくのを気にも留めず、俺は震える足で屋上の縁へと歩み寄った。