ふいに雪村君から話を吹っ掛けてきた。

隣に来た……隣に住んできた、という意味かな。


「あ、ああ。ここから電車を2つ乗り継いで、車で2時間ちょいの所から。結構遠いだろ?いちいち移動がめんどいからさ、引っ越してきたんだ」


「……そう、なんだ。どうして?」

「え?……えーと、なんでここの高校に来たってことかな?」

こくんと頷く。

「あー……………、落ちたんだ」

ぷっ…と吹き出す声が聞こえた。

声の方を振り向くが、相変わらず無表情の雪村君が隣に立ってるだけだ。

…空耳か?