そもそも、雪村君みたいな秀麗な人がこんなところに住んでるのは、ひどく不釣り合いだ。 砂漠に住むシロクマのような場違いさだ。 俺と雪村君は数分ほど固まっていたが、やがてどちらかが「……行きましょうか」と言って二人で登校することにした。 雪村君は寒がりなのか、まだ9月だと言うのにマフラーにコートを着ている。 父親のお古なのだろうかどちらも古びてところどころ綻びがあった。 うん。似合わない。 まったく。