俺の兄である、北見悠。

女のような名前だが、立派な男である。


悠兄には寂しいときや悩んでるときよく電話する。

世話好きで優しい悠兄は、いつも暖かく応対してくれて、独り暮らしの俺の心の支えだ。


「…唯?泣いてるのか?」


ビックリした。

だって俺の顔なんて見えない悠兄に、今の俺の状態が見えてるようで。

そんなに涙声だっただろうか。