言い過ぎた、だけでもいいから言わなければならないのに。


言葉に詰まってる俺を、逆に労るように雪村君はハンカチを取り出して最後に「ありがとう」と耳打ちして教室から出ていった。


一人、夜の闇が近づく教室に取り残された俺はハンカチを握りしめながら、ただ無様に涙を流すしかなかった。