俺はとっさに雪村君の手を払った。

一瞬、彼が傷ついたような表情を浮かべたけれどそれを確認する余裕は、今の俺にはなかった。


頭の中がぐるぐるして気持ち悪い。

張り付くような喉の乾きを感じて、思わず嗚咽を漏らす。


「おま…えは、お前は間違ってる…。
なんで…なんで、こんなにも違うんだよ…何がちがうんだよ…。もうわけわかんなねぇよ……。
異常だ…。お前も橘先輩も、異常だ。
もういやだ……なんで、なんでこんな思いしなくちゃなんねぇんだよ…!!!」